みそぎ祭

二宮へ移住をして何人ものお客様からお話を聞いていた、年に一度10月の第2日曜日に行われる
川匂神社の例大祭。その中でも、見所があって盛りあがるのが「みそぎ祭」
昨日13日(日)がその当日でした。先ず最初に思ったことは、気候が良くて本当に良かった。
お店を17時にクローズして、陽が段々と傾きかけている中、見逃してはならぬまいと足早に梅沢海岸へ。
海岸にたくさんの人はいるものの、いつもの通りに釣り人も居て、もう終わってしまった?と思いきや何とかセーフ。
まさに、これから儀式が行われるところでした。

二宮のみそぎ祭について、調べてみるも、あまり詳しいことが書かれているものが見つからず。。。
事前情報としては、西湘バイパスと神輿と海、陽が沈んでいくコントラストが素晴らしいと。
なるほど~!以前、何かの本で読んだ『人工物×自然』の美しさですね。
自然は美しいと良く言われるけれど、それはある程度人間が意図的に淘汰し整備した自然が実は美しいのではないか。
西湘バイパスの高速道路が一役かっている部分があるのではないか。など想像は膨らむばかり。
みそぎ祭の肝となる梅沢海岸も、今日は僕らが知っているのんびり自由なムードとは違う雰囲気が漂います。
出店が三棟出ていたり、それぞれの自治体・地区によって皆異なる色と大紋の法被を着た方が大勢集い、
高架下には自前バーベキューを楽しむ方。釣り人。そこに僕らのように、みそぎ祭を見物に来た地域の方々。
いつもの日常とみそぎ祭という非日常とのグラデーションがあって、個人的にはなんだかちょっとわくわくもするし
全体の光景がなんだか微笑ましかった。

太陽も沈み、夜空には半月を過ぎたお月様が見下ろすようにぽつんと鎮座。
そもそも「みそぎ祭」とは何なのか。。。という疑問。
二宮には神奈川六社神社と呼ばれる6つの神社の1つ「川匂神社」が存在。
私たちもことあるごとにお参りをさせて頂いている神社なのですが、風の神様がいると言われています。
毎年、年一回。10月の2週目の土日のどちらかに行われている行事。
出発地点である川匂神社からお神輿が出発。朝から二宮の町内を一周して、夕方に梅沢海岸に降りてくる。
禊(海へ入る)をしてまた川匂神社へ戻る。を1日かけて行う儀式。
クライマックスとされているのが、梅沢海岸へ降り、お神輿が海にちゃぷん(担ぎ手)とするシーン。
お月様のライトに照らせれて、いよいよ禊がスタート。

海岸にこの日の為に立てられた二本の竹(目印)を8の字に回ります。良く神社でも行う儀式ですね。
宮司さんを先頭に、威勢の良い掛け声とともに海岸に留めてあったお神輿も出発。
海岸は当たり前ですがフラットではなく、傾斜があるため、目印となる木を回ろうとすると海岸側への負荷が大きくなり
お神輿がぐらっと大きく傾くシーンが何度もありました。
その度に担ぎ手が変わったり場所を変えたりと地区を越えて一同の声と力を合わせて海への道を切り開いていきます。
そして、そして。。。いよいよ禊の為、海へ入水。
ちなみに、梅沢海岸は普段は遊泳禁止の海(急に深くなる)。
想像しているよりもしっかりと波の高さがあるのでハラハラドキドキです。

遂に。。。ちゃっぽんしました。
その瞬間に急に大きな波がきて、神輿がさらに大きく傾く!何とか持ち堪えました。。。
見に来ていたお客さんも興奮して禊の最中のお神輿に近づきすぎて、見事にちゃっぽん。
あれは後から考えると、歓迎の波だったのかもと思いつつ、僕はギリギリセーフ。
入って直ぐに出てくるかと思いきや、海に入ってからもお神輿を上下に大きくゆすって「禊」を継続。
感動とハラハラする気持ち、沈む夕日があまりに美しく、幻想的な時間が流れていました。
奥に映りこむ安定の釣り人の皆様もまた良し。

2基のお神輿が梅沢海岸に浸かって何分くらい経っただろうか。。。5分から10分くらいだったでしょうか。
禊の儀式を終えて、元にあった場所へ帰っていきます。
海岸は石が多めで、素足だった担ぎ手の方が石を踏んづけてリアル足つぼの洗礼に悶え堪えている様子を見て
一層、神輿の厳しさを痛感。
私は来年も見る側でいようと、固く心に誓いました。
それにしても、素晴らしい天候に恵まれ、川匂の神様のお神輿が海へとお連れするこの神事を見れたこと
普段はそう人気の多くない、海と山の間に挟まれたこの二宮の町を、守ってくれていることへの感謝も含め、
老若男女が声を出して楽しそうにしている姿と真剣に取り組む姿勢は、どんな時代においても必要な光景だと思いました。
そんな二宮の秋の様子をお伝えいたしました~!

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