半年が過ぎました。
みなさま、こんにちは。お元気ですか?
今日は12月14日土曜日。
二宮へ移住をして移転オープン日が6月14日(金)だったので、あっという間に半年が過ぎました。
盛岡から引っ越しをしてきたのが2月14日。先ずは不具合だらけの自宅側の修理・修復からスタート。
シロアリ・ねずっち・水道関連の詰まり・トイレの水漏れとありとあらゆる故障と修繕、
自然動物達との知らぬ間の共同生活を終わらせて、ようやく店舗側の内装に取り掛かりました。
内装工事に関しても結構すったもんだがあったなと思うのですが、ほぼ記録に残していないというのが
自分たちの詰めが甘いところでもあり、前しか見ずに後ろを振り返らない良いところでもあり・・・?。
当初の計画よりも1か月遅れになりましたが、色んな方の協力とアドバイスと、出来る部分は自分たちの手と身体を使い
築100年の石場建てつくりの素晴らしい建物のパワーをお借りして、何とかrasikuの第二章が始まりました。
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二宮へ来てから、一番変わったこと。盛岡にいる時には叶わなかった「海」を近くに感じながらの生活。
半年が経ってようやく朝早起きをして、自宅から梅沢海岸まで歩いて帰ってくる朝散歩が習慣化してきました。
大した距離ではないのですが、薄暗い中を少し遠回りをして海岸へ降りていくと、ちょうど江ノ島方面の水平線から
太陽が朝陽を照らしながらじわじわと昇ってくる瞬間に立ち会えます。これはもう格別というか、奇跡にも思えます。
水筒にいれたインスタントコーヒーをフーフーしながら、1つ手に持ったおやつを食べ、静けさの中に身を置くと
二宮にいることを実感すると同時に、自分という存在への問いが生まれては、たいしたことはないと波に流されていく感覚も良いのです。
なぜか、寒くなってからやる気が出た朝散歩ですが、春・夏も違った気持ち良さや情緒があるはず。
ストイックになり過ぎずに自分たちのペースを崩さずに、楽しみながら散歩を続けられれば良いなと思っています。
そんな訳で、僕たちも猫も元気で過ごしています。
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先日、盛岡のお店の時に出逢ったご夫婦が二宮へ遊びに来てくれた時の話。
旦那さんの方が、東京駅に着くと何だか気持ちが”はかはか”するとのこと。心拍数が上がって落ち着かない。
理由を尋ねると、盛岡は四方八方を山に囲まれているから、何時何処を見ても山が見えると。
東海道線に揺られて景色が都会のビル群から自然が多く残る平塚・大磯・二宮あたりで落ち着いたようで
盛岡に12年間住んでいて、その景色が当たり前になり過ぎて、自分では気づかなかった点でしたし、その視点はとても興味深いなと思いました。
故郷の景色という観点で振り返った際に、僕は何が思い浮かぶだろう・・・と改めて思いを巡らせてみました。
僕の地元は鎌倉で正確に言えば大船駅、さらに細かく言えば湘南モノレールの富士見町という駅から歩いて15分くらいの場所に
5階建ての社宅があり、そこに住んでいました。
湘南モノレールを足として使ったり、免許を取得すると車に乗って江ノ島へドライブがてら行ったりしていたのですが
つい先日、20年振りくらいにその道を通ったことで、記憶が鮮明に浮かび上がってきた懐かしい景色。
湘南深沢を越えたあたりからのうねうねとした細くてアップダウンの多い道路と、その上を並走するモノレールの線路。
モノレール終点の江ノ島駅から江ノ電の線路を跨くと、急に視界が開けて国道134号線と目のまえに広がる波が穏やかな海。
その道を車で懐かしなと思いながら(ナビ無しでいけるもんですね)海が見えたときに、僕の中に眠っていた地元と呼べる景色は
この感じかもしれないと思った訳です。だからこそ、折角であれば一度は海の近くに住んでみたいと考えたのかもしれません。
こうして神奈川に来たことで必然的にそんなことを振り返ってみたり、休日には信頼出来る方に教えていただいた
素敵なお店情報を便りに足を運んでみたりして、こんな辺鄙な場所(少年野球ではお馴染み「笛田球場」の近く)で
小商いをしている方がいるんだなぁ・・・と、とても勇気や元気をもらったりして、元々過ごした土地だからこその
変わったり変わってなかったりの一つ一つの全ての事柄が新鮮で、驚きも切なさも感動もあって感情が揺さぶられます。
44歳という年齢になって、自分が今こんな経験をするとは思っていなかったのですが、これもまた僕に対して届けられた
意味がある時間と受け止め、少し近くなった地元や家族との距離を大切に過ごしていこうと思います。
それにしても、初めて知る・改めて見る、むしろ殆ど知らないことばかりの神奈川県は、地形などもとても面白く興味深いです。。。
少しずつ探検地図を広げていこう。
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もう1つ別なお話を。
以前からお話を聞いていた、秦野にお店を構える老舗の洋食レストラン。
お店の前を何度か車で通過したのですが、今は完全予約制のみの対応になっているとのこと。
少し前から一緒に行きたいです~と話していたら、急遽連絡が入ってご近所さん仲間4人でランチにお伺いする機会をいただきました。
とても楽しみに、そしてドキドキしながら店内に入ると、使い込まれた調理道具が綺麗に並ぶ厨房の中には
正装とも言える縦長のコック帽を被った、絵にかいたような佇まいのコックさんがいました。
これでもかっていう素敵すぎる笑顔のご夫婦が出迎えて下さり、初めましてのご挨拶をしました。
創業は1976年・昭和51年。僕は当たり前ですが生まれていない。お店は今年で48年目。
無理のない、でもすべてが魅惑的なお料理のラインナップから、それぞれに食べたいものを選んでお話をしながら待ちます。
まだ何も食べていないのに、もう、何というか満たされた気持ちになっている自分が居ました。
人参のラぺからスタートしたのですが、初めて出会うラぺがそこにありました。先ずその美しさに惚れ惚れします。
食べ終えてしまうのを惜しむ気持ちと、美味しくてどんどん食べたい気持ちに挟まれながら、一口を堪能します。
続いて、スープとメインと食後のデザートまで。
食事はどれも繊細なタッチながらも、お客さまに沢山美味しいモノを食べて貰いたい気持ちが溢れるコース料理。
お昼からビールを飲みつつ、4人それぞれの近況だったり、何気ない話の中で思わずぽろっと漏らした気持ちに対して
「人間っぽくて良いじゃない」という言葉が返ってきて、その時にふっと閊えていたものが取れたのでした。
店主の長谷川さんとも、ゆっくりお話をしながら楽しい時間はあっという間に過ぎました。
1つのことを半世紀近い時間をかけてやり続ける、実直な生き様と柔らかく包み込む料理と笑顔。そして何よりも人柄。
ご馳走様をして外へ出ると、駐車場まで見送りに来てくださるお二人の姿。
言葉にしきれないのですが、人間が人として生きることの意味と美しさを、人生の先輩に見させていただいた。と心から感じましたし
一緒に行った仲間も同じように、自分の出来ること(いいものを作る)で誰かに喜んでもらえたらという心を持った生き方をしているので
私たちもそう在りたいなと、揺れ動くこともあるけど真心を尽くすことを忘れずにいたいと思えた、とてもたいせつな時間でした。
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大分、長くなってきましたし、着地が見えなくなってきたので最後に。
嬉しいこと、自慢を1つだけ言うと、盛岡・秋田から沢山の方がお店に足を運んでくださっています。
一番来ている方で半年しか経っていないのに二宮へ3回も!(笑)これはもう本当に涙が出ますし、行動力に感動しています。
ここは、二宮ですよ?鎌倉とか桜木町とか中華街とかそういう場所では一切ないのですよ。とツッコミを入れたくなってしまうのですが
それも出来ないくらい、目指してだったり、旅の途中の寄り道で訪ねてくださる方が多すぎて、やっぱり泣けてきます。
更にオンラインショッピングでお買い物をして下さっていたりと、物理的な距離としては600キロ離れてしまいましたが
それを忘れさせるくらいの応援の気持ちもいただき、やり取りは無くても心を飛ばしてくださっているのをいつも感じています。
出張SHOPへ行った際には鳩サブレー沢山持って配りますから!!(笑)
そんなことでしかお礼は伝えられませんが、少しでも笑ってもらえるようなネタと情報収集した神奈川グルメ&温泉マップ(仮)を
お伝えしたいなと思っていますので、北東北の長い冬が明けて太陽の日差しが心地良く感じられる季節にお逢い出来たら嬉しいです!
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最後の最後。
毎日必ず訪れる今日を、眠い目をこすりながら起きて、太陽を拝み、猫にご飯をあげる。
僕はトーストにあんことバターをたっぷりとのせたパンにインスタントコーヒーを合わせながら妻と他愛のない話をして
自宅とお店の掃除を済ませて、朝の10時にお店を開ける。何でもないような事の繰り返しです。
それは半年だろうが1年、もしかしたら10年続いたとしても変わらずに同じことを淡々と続ける。
根本的なことを変えないために、変化を受け入れながら毎日を積み重ねたいと思います。
みなさま、いつもありがとうございます。
ここまで読んでいただいた方にも、ありがとうございます。
今年も残り半月です、どうか風邪をひかずに元気に過ごせますように。
明日15日(日)は満月だ。体調が悪くならないと良いな。。。(笑)
2024年12月14日 | 9:23 PM | rasikuの想い