栃木県の思い出
二宮に住んでみて分かったことは、二宮を拠点に活動されている作り手・所謂作家さんやアーティストの方が、
あちらこちらに居らっしゃるということ。活動は国内・外と多岐に渡ってという方もいて、人口規模の割には多い印象。
そんな中、工房兼ご自宅がご近所ということもあり、仲良くなった”miyazonospoon”の宮薗さん。
木で、もくもくとただひたすらにスプーンを作る人で、自分達にとってはご近所さん的存在でありながらも
全国の作り手の方や店舗を運営している方が、宮薗さんに逢いに二宮へ訪れるという、静かに輝きを放つ人でもあります。
そしてとにかく二宮へ訪ねてきた面白い方を沢山ご紹介してくださって、二宮生活一年生の僕らにとっては本当に心強くて
ありがたい存在ですし、自分達も出来ることで力になれたらいいなと思っている仲間。
そんなご近所付き合いのご縁もあって、宮薗さんが3月末に栃木県でイベントをすることを聞き、
そのギャラリースタッフの方がご家族で宮薗さんに逢いに二宮へ立ち寄った際に、一緒にお店にも来てくださって
これは折角だから精神で、お邪魔してみたいなと思い送迎も兼ねて、ご一行で1泊2日の栃木県旅へ出掛けました。
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目指す場所は栃木県の大田原市。栃木県の人口190万人。大田原市の人口は7万人。
宇都宮からは距離で45キロ。約1時間くらいのドライブ。
20代前半の頃に宇都宮市に約3年くらい住んでいたことがあるので、ある程度の土地勘はある場所。(と思っていた。)
正直、大田原市については通り過ぎるだけで、ちゃんと見たり歩いたりしたことが無かったのでとても楽しみ。
早朝二宮を出発して、小田原厚木道路→首都圏中央連絡自動車道→東北自動車道を乗り継ぎ、一般道を20分くらい。
3時間くらいの予定が春休みもあってか途中3回ほど渋滞にハマり、1時間30分遅れの4時間30分で無事到着。
展示が12時スタートだったので、一応余裕を持って出発したのですが、12時4分の到着ギリギリセーフ。アウトか!?
駐車場に着くと、もうすでに何台かの車が停まっているのを見て驚きながら、会場へ無事送り届けることが出来先ず一安心。
宮薗さんは息つく暇なくお客様を接客していて、平日にも関わらずの来客とお客様の熱量に圧倒されてしまいました。
訪れた場所は、栃木県大田原市に3つのそれぞれに違う空間を運営している”秋元珈琲焙煎所”と隣接する建物の
“ギャラリーショップ日喩” そして道路を挟んで佇む”ギャラリーショップ田谷”
店舗がある場所は見渡す限り田んぼ。一歩踏み間違えると車は田んぼにぽちゃんする平野ならではの光景。
岩手県時代にお隣の滝沢市に自宅を借りていた時期があるのですが、まさにその景色。お店があるとは思えない場所。
ナビを頼りに途中から宮薗さんにアテンドしてもらいながら進みましたが、本当にここなのか。。。という気持ちと
栃木県ならではの自然豊かな空気は、心が落ち着き穏やかになる土地の持っている魅力も同時に感じました。
そんな場所でギャラリーショップ田谷の空間で”miyazonospoon”の展示は行われました。
主宰の秋元さんのメインは自家焙煎の珈琲を販売すること。喫茶スペースは設けてなく焙煎1本というストロングスタイル。
敷地内に3つのそれぞれ異なるお店があるのは見応え十分。この場所は秋元さんの代々受け継がれてきたご実家の
建物だったそうで倉庫やら納屋やらを改装して、ギャラリー2つと珈琲豆を販売するスペースという構成にしています。
こちらの建物が珈琲豆を販売するスペース。
お店の中に入ると、所狭しと美味しく珈琲を淹れるためのツールがびっしり。。。完璧な品揃え。
個人的に珈琲は深煎りが好みなので、入った瞬間に好きなタッチだと確信。
2種類ほど自宅用に、お世話になった方へのお土産を購入し気になっていたCDも無事にゲット。
こんなところにというと語弊があるかもしれませんが、これこそわざわざ目指して辿り着く場所だと思いました。
因みに最寄りの駅はというと、JR宇都宮線野崎駅から徒歩で約1時間。。。バスも通っておらず。
余程の理由がない限りは車一択ということになりそうです。
宮薗さんから行く前から近くに湧き水が出ている場所と神社があると聞いていたので、早速歩いて行ってみることに。
その場所は加茂神社・大杉神社があり、田谷川水源の湧水地はそのすぐそばに。
大きな木と綺麗な水が湧く場所は、流れている空気が違ってきますし秋元珈琲焙煎所さんが何かに守られて
いる気持ちにもなりました。神社が近くあることで気持ちを整理したり気分転換をするのには持ってこいの場所。
綺麗な水を見ていると、心の落ち着きと癒しがもたらされて、ロングドライブの疲れが少し和らぎました。
二宮には海と山があるので浄化されるという面で近い感覚があるのですが、湧水にはまた違った魅力を感じますね。
因みにこの湧き水は陸封型のイトヨと呼ばれる魚が住んでいるようで、県の天然記念物に指定をされているようです。
まだ時期が早かったせいなのか魚影は確認できませんでしたが、きっとこの場所で心地良く泳ぐ姿を想像出来ました。
湧き水はとても柔らかく甘いお水でした。きっと那須連峰の雪解けした水がここまで染みわたってきているんだと
推測しつつ、時間がいっぱいになったのでつぎの場所を目指します。
大田原から北上して車で45分くらい。黒磯へ。
黒磯と言えばやっぱり”SHOZO”さん。久しぶりに来ましたが、変わらずというか以前に増して人が次から次へと。
春休みも重なっているからかもしれませんが、間違いなく黒磯へ来る理由の一つのお店。
今回はお茶の時間は諦め、お土産の焼き菓子類をごっそり購入し、足早に今日の宿泊する宿へ向かいます。
今回お世話になる宿は、那須塩原市にある板室温泉”和薬草”さん。
厳選かけ流しのお風呂、とにかく湯治をメインに考えていたのでこのホテルに辿り着きました。
板室温泉は開湯1000年を超える温泉地で、和薬草さん自体はまだそこまで年数は経っていないそうですが
場の良い具合にしなびた雰囲気とお湯は間違いなさそうな空気がぷんぷん漂っていました。
岩手に住んでいた頃に、足しげく通っていた台温泉(開湯1200年)にも似た湯だったのがとても良かった。
黒磯のスーパーと途中の道の駅で食材は確保し、とにかくひたすら休息。
あとは久しぶりにテレビの前で、センバツ高校野球準々決勝、聖光学院 対 浦和実業の試合を完封できたのも嬉しい。
浦和実業高校の監督さん、策士な顔でとても良かったです。
湯に浸かっては寝てを何度も繰り返し、気候の乱れに翻弄された身体の奥底の疲れをしっかりと癒してきました。
この日は風が強くて外に出る気持ちになれませんでしたが、もう一度天気が良い日に板室温泉をゆっくりと満喫してみたいです。
翌日は黒磯駅前で宮薗さんと朝食を一緒にと待ち合わせ。
駅を降りて徒歩30秒の場所に”Iris bread & coffee”さんがあります。朝9時からの営業。ナイス。
朝型人間なので、旅先でモーニングを美味しく食べられる場所があるのは本当にありがたいし、しかも美味しい。
それぞれに違うものを注文。頂いたフレンチトーストは外カリ、中フワで美味でした~。
パン屋さん+カフェスペース、その横には系列のピザ屋さんがあるので充実した3店舗。
駅の玄関口に丁度良い感じで食事と珈琲が飲める場所があるのは本当に羨ましいなと思いました。
そしてそして、宮薗さんからご提案をいただき、気になっていた駅直結の図書館”みるる”を見学することに。
2020年9月に開業した図書館で、久し振りに素晴らしい図書館に出逢いました。2021年にグッドデザイン賞を受賞。
建築物としての完成度は勿論ですが、本の仕分け、ジャンル分けが抜群。きっと素敵な司書さんがいるんだろうと想像。
「森」を表現した空間は子どもから大人まで誰もが楽しめて、建物と空間と、展示、本、さまざまなものを通して知識を学べる。
一階と二階があってそれぞれのテーマで居心地の良い空間作りがされていて、選書されている本の種類と奥行きに感動しました。
特に感じたのは小さなお子様がそれぞれに好きな場所で、夢中になって本を読んでいる姿がとても印象的でした。
子ども向けの本を中心に置いてある「えほんの森」という児童図書の空間があったのですが、大人が見ても見応え十分でしたし
本棚に囲まれていて、デザインの異なる椅子やテーブルなどの読書スペースがあちこちにあって好きな場所で読めるのも良い。
二階にある学習スペースを学生も大人も自由に使っていましたし、よりぐっと集中して勉強も読書も出来るような設備もあり
開放的だけどパーソナルが保たれる配置が凄く良かったです。
ご家族で来ても良い時間を過ごせて、充実した1日を過ごせるだろうと思いました。
1時間くらい滞在していましたが、あっという間過ぎて後ろ髪を惹かれつつ次の目的地へ移動。
きっと地元に住んでいる方が胸を張って誇れる施設ではないでしょうか。
“みるる”は今度ゆっくり時間を作って訪れたい場所になりました。
最後にもう一度”秋元珈琲焙煎所”へ寄って挨拶してから帰ることに。
途中、何やら気になる建物があり、ゆっくり前を通ってみると鯛焼き屋さんで瞬間的にハンドルをぐいっと切って停車。
地元では有名なお店という偶然。養殖タイプで外カリで美味。
そして何よりも佇まいが素晴らしい。秋元さんへの手土産として購入。
皆さん、この鯛焼きをとても喜んでくださっていたのが印象的でした。地元あるあるかもしれませんね。
帰りがけによった産直がまた良かったのです。
季節はイチゴシーズン真っただ中ということもあり、美味しそうなイチゴがずらりと並んでいました。
因みに栃木県はイチゴの生産量がトップ。いちごと言えば「とちおとめ」が頭に浮かぶ世代。
心地良い演歌が流れる店内を、イチゴコーナー、お野菜、冷蔵、総菜とぐるりとしてお土産をたっぷりと購入。
車で来ていると、荷物の心配をする必要がないのがメリットですね。夢中になってしまいました。
そして、最後のイベント。宇都宮と言えばやっぱり”餃子”
22歳の時に転勤で宇都宮へ来たのですが、一番最初に衝撃を受けたのはやっぱり”餃子”
安くて早くて旨い!!その当時は”みんみん”さんと”正嗣”さんが2台巨頭だったと記憶しています。
今回はお初の”香蘭”さんへ、外に並ぶこと15分。お腹もペコペコ。ライスをどうしようか迷ったのですが
自分を信じてオーダー。もうお腹いっぱい。久しぶりの宇都宮餃子を満喫して岐路につきました。
ことある毎に何年かのタイミングで訪れることのある栃木県。まだまだ知らない場所や行ってみたい所が
沢山あるので、また何かと用事をつけて足を運んでみたいと思います。おわり。
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今週末は準備を含めると4日間、1年振りに盛岡へ鳩サブレー持って行きますので、みなさま
よろしくお願いいたします。
2025年3月31日 | 3:06 PM | rasikuの想い