1周年

2024年6月14日に二宮でお店を再スタートをした日。
元々は、この建物に出逢わなければお店は盛岡でおしまい!っとするはずだったので何だか今もまだこうして
お店を続けられていることが、時々ものすごく不思議に思ったりもする。
移転しても、自分たちのことを信じて洋服を届けてくださる作り手の方にも感謝の気持ちでいっぱいです。
きっと僕たちの人生は、風が吹くように行き当たりばったりで、それが運命というならそうなのかもしれないし、
緻密に計算したり、反動が怖くて理想を大きく掲げることも出来ず、これまでもずっと手探りの中で
その都度、自分たちが心地良いと感じながら出来る事・見たい景色は何かを考え、心に問いながらやってきました。
実際に盛岡でお店をスタートした時は、若さ故の自信に反して、経験値があまりに乏しいが為に理想と現実のギャップに
日々落胆していたし、どん底までいって、あの状態から良くここまで続いてきたなと今は思う。
節目節目に出逢う人や人から通じて広がるご縁、ラッキーが幾つか重ならないと個人経営のお店は一瞬で無くなってしまうし
それこそ毎日が勝負でもあるし、何との勝負なのかも分からないけれど、強いて言えば自分?それとも世の中?
結局は日々の積み重ねでしかないから、これは神様もなかなかの試練を与えてくるなぁっといつも思う訳です。

僕たちが暮らし、お店を営む二宮という小さな町。これまでにも何度かBLOGに書いたかもしれませんが、
面積も本当に小さくて、およそ9平方キロメートル。南北に3.8キロ・東西に3.3キロ。人口26000人弱。
どうして二宮に?とよく聞かれるのですが、一言で言えば”直感”しか無かったのですが、実際に住んでみると
想像通りの良い部分も、悪い意味ではなく想像とは違った部分も当然ですが見えてきます。
高齢化率も神奈川県の中では進んでいるので、未来に向けて町がどのように舵を切っていくのかを冷静に見てみたい。
何かを大きく変えたいとか、野望とか私利私欲ではなく、共有財産をみなで分かち合えるような方向に進んでいけば
とても良いだろうなと勝手に思ってもいる。吾妻山というシンボルがあって、山と海とが小さな面積にぎゅっと詰まっていて
陰と陽が背中合わせにあるのがとても面白くて、来てくださった人がリラックスしてる様子を見るととてもうれしい。
湘南新宿ラインの快速に乗ると停車しないので、東京の帰りは快速でないことを確認しないといけなかったり
電車の終点が平塚駅迄で落胆し、何となく一つ前の茅ヶ崎で乗り換えたり。
平塚で切り離しで慌てて前の方に座席を移動したりと小さい町故のどうでも良いストレスがあるのも事実。
数の絶対的な原理原則が働いているなぁっと、、、乗り換えをする度に思います。
誰が何処に住もうと、メリットとデメリットは必ず存在するし、自分の中の価値観で心地良く感じるものを優先し
選択していけば大半のストレスは解消されるだろう。常に選択権が自らにあると考えていればそれだけである程度
自由にもなれる。実際に二宮へ来てから海を身近に感じられる生活に変わり、想像していた通り、いやそれ以上に
気持ちが晴れるし心と身体のどちらも開放されていくことを梅沢海岸へ降りる度に感じる。
仕事終わりに妻と二人で海岸へ降りていって飲むビールもしくはホットコーヒーは格別。他愛のない話をする時間と
波をただただ眺めていることに充実感を覚えている。こんなにも海が間近にある場所に住んだことが無かったので
人生のボーナスステージに浸っている気分にもなれる。この物件に出逢っていなければ、こんなに足しげく
海へ通うこともしなかったはずだし遠方から来るお客様にとっても特別な場所、何か小さな思い出になって頂ければ
嬉しいなぁと思っている。自分たちがハッピーで、ポジティブマインドになることを優先しながら毎日を過ごしています。

あとは、お店以外のプライベートな話をすると地元と言う場所に22年振りに帰ってきて、神奈川県の地形や文化
食べ物の面白さなどに気付き始めている。いや、ようやく気付けたのだと思う。
若い頃はそんなことに興味も無かったし、当たり前にこの場所に住んでいたから客観的な視点が乏しかった。
こんな人の多い場所、早く出ていきたい!!とくらいにしか思っていなかった。
が、やっぱり鎌倉ってちゃんと面白いなと思うし、鳩サブレーは気軽に買えるし、大船は物流のハブになる駅だったんだ!
と地形を見るとシンプルに頷けたり、だけど今はあまりにも土地(家賃)が上がり過ぎてビックリ。。。
恐らくそこには住むことはないと思っている。車で通るくらいが逆に丁度良いバランスなのかもしれない。
その点、二宮は想像していたよりも箱根が近く、最近は真鶴・湯河原方面にも足を運ぶようになり、
まだまだ知らない、見てみたい場所が沢山ある。
お気に入りは湯河原の「霊泉・ままねの湯」盛岡時代に足しげく通っていた花巻の「観光荘」くらい熱湯で、雰囲気が好き。
温泉が近くにあるのも、しずかちゃん体質の僕には嬉しい限り。
行く行くは温泉付きの家、もしくは徒歩で温泉に行ける場所に暮らしたい・・・いや、暮らすと決めて
またじっくりと自分のアンテナに引っ掛かる場所を探す旅をするつもり。
いざという時に軽やかにジャンプ出来る準備だけはしておきたいし、自分の年齢を考えるとチャンスはそう多くないはず。
岩手在住の頃は両親に会う頻度が2年に1回とか、展示会の帰りにさっと寝泊りだけして直ぐ帰る。の繰り返し。
きっと忙しさを言い訳にして、両親と向き合うことを遠ざけていたような気もするし、照れくささみたいなのも何だかんだ
あったのだと思う。戻ってきてからは休日を利用してゆっくりと話をしながら食事をしたり、ハイキングへ出掛けたりと
親孝行をしている感覚はないのですが、共有する時間を持てるようになったことは、自分にとってポジティブでプラスな
心持ちになっている気がしている。距離が近くなると心の距離も縮まることを家族というフィルターを通して理解した1年。
そして、中学からの悪友から野球観戦のお誘いを受けるようになったのもプロ野球チームが地元やご近所にあるからこその恩恵。
やっぱり横浜スタジアムは特別な感情があって聖地だと思っているのはきっと僕だけではないはずだし
最近はベイスターズが強くて、神奈川の高校野球はやっぱり盛り上がるし横浜高校への憧れは密かにずっと持ち続けている。
一度でいいから「YOKOHAMA」と書かれたユニフォームを着てみたい(笑)
プライベートなことでも”地元”という場所に戻ってきたことでの気付きがあった事も結構びっくりしている。

きっとお店はどんな場所でどんなことをしたとしても、大変さとか乗り越えないといけない壁いう点は然程変わらない
それは移転をしてみて、身に染みて分かったこと。
環境をがらりと変えることは、今までの積み上げてきた見えない何かを捨てる勇気と引き換えに、新しいご縁や感覚を
手にすることだと実感。二宮へ来ての1年間でここまで沢山のご縁と知り合いが出来るとは想像していなかったし
現在開催しているイベント、アクセサリーのsuwa okiさんとも、こんな風に繋がって展示までしているなんて、
全くもって不思議なご縁としか言いようがありません。
更に言えば、岩手・秋田から二宮へ足を運んで下さる方が、こんなにも沢山いるなんて全くもって考えてもいなかったので
大袈裟ではなく感動を頂いております。本当にありがとうございます。4月に訪れた勝手に凱旋盛岡ツアーも
来店してくださったお客様のお名前を全て把握していた事に驚き、12年という歳月を過ごした実感を最も感じられた出来事。
また秋にお伺いしたいと思っていますので、また沢山の方と色々なお話が出来れば嬉しいなと思っています。
とは言え、当たり前に神奈川県1年生なのでそう上手くはいかないし、想像していた通り、それで良いのだと思います。
苦労は買ってでもしろという言葉もあるくらいだし、自分で選んだ道なので、とにかく日々やれることを一所懸命やるだけと
腹をくくっている感じです。

これだけ世の中の変化が大きく速度感も増す中で、ふと冷静に洋服の必要性に関して自問自答する時もあるのですが、
僕の生活のリズムの中には洋服はとても大きなウェイトを占めていることは確かなこと。
生活をするうえで日常と非日常があり、どちらにもあまり偏り過ぎずに且つ生活している町に違和感なく馴染む
(近所のスーパーに入っても浮かない感じ!?)服装を提案していければと思っていて、とびきりのお洒落ではなく
着る人が自身が納得し心地良く時間を過ごせて頂けていれば嬉しい限りです。
何処に行くにも洋服は身につけないといけないですし、折角であれば自分のお気に入りを春・夏・秋・冬と少しずつ揃えながら
更に言えば気分に合わせて服装を楽しんで頂きたい。そして、当たり前ですが洋服を1枚や2枚購入したところで急な変化は
訪れないですし、やっぱり何だかんだと日々の鍛錬が必要。僕の中での目標があって、10打数7安打~8安打!!
(10枚買ったら7枚は良かったと思って頂けるモノ)残りの3打席はお勉強代と言いますか、チャレンジングな部分もご提案
する時もあることをご理解頂ければと嬉しいです。それは洋服に限らず何事も共通する部分があることだと思っています。
じっくりとモノを選べる環境と空間を整えて、誰かにとっては大切で、心が安らげて、小さくとも必要な場所に思って頂けるよう
明日からも変わらずにお店を開け続けたいと思います。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。また気が向いたら長文を描きたいと思っています(笑)
おしまい。

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