洋服のことについて考えてみた。

2026年の幕開けはオンラインショップで顔馴染みの方からご注文を頂けて、二宮にお住いのご近所さんや
いつも来てくださる方々がご挨拶がてらに新しい洋服を手にしてくださったり、先日、鎌倉に行った際にお伺いした
素敵なお店の店主さんが、「定休日が重なっていて中々行けないと思って・・・」と遥々お休み中にご来店くださったり
また、ふらりとお立ち寄りくださった方がお買い物まで・・・と、リアル店舗の醍醐味をヒシヒシ!と感じられる
最高の1日になりました。
ゆっくりでも着実に根を張って浸透していけるように、地道にコツコツ、自分達にしか出来ないお店の表現を
まだまだ探って、この場所からお届けしてきたいなと思います。


商品の紹介をと思ったのですが、まだ若干お正月気分が抜けないので定休日明け頃から再開しますね。
折角時間もあることなので、最近思ったこと、感じていることを書き留めておきます。
年末のちょっと隙間時間にとあるメーカーさんのインスタライブを見ていたら、僕が洋服に対して思っている
ニュアンスにとても近い内容をお話しされているのを聞いて、(なかなかこういう事を言える人って居ないよな・・・)
と、とても感心してしまいました。
自分が伝えたいこと、言葉にしたいけど上手く言えないでいることは、恐らくこういう事だと腑に落ちた気がしたのです。
その方は年齢的には僕よりも一回りくらい上の方で、メーカーとして恐らく30年以上、アパレルの世界で続けてこられていて
酸いも甘いも知り尽くした方の話ということもあり、説得力と、洋服と人との距離感が抜群だと思いました。
カジュアル服の根本的な話からスタートして「TAKE IVY」のことに触れた後に、核心部分へと繋がっていく訳なのですが
ある意味では逆説的な表現なので、一瞬、んっ!?と耳を疑うというか、理解するのには時間がかかるかもしれません。
その方が仰っていたことは、「格好良くなる為に」洋服は着るのだけれど、答えとしては「格好良くなってはいけない」
ということ。
毎シーズン洋服を提案し続けているメーカーでもあり、直営店を持っている方から、この言葉が聞けたことが個人的には
とても嬉しかったし共感し、そうだよね~って、、、カウンターの椅子に座りながら話を夢中で聞いていました。
その話には続きがあって、格好良くなることを目指すという点は一致していて(洋服屋としては当然のことですし)
「たまたま格好良く映ってしまう」という逆説的な表現であるということ。格好良くなることだけを目的化してしまうと
格好良く作られた洋服ばかりを集めてしまうし、この部分の伝え方とニュアンスがとても難しい。。。
結局は外見だけではなく人間の内面性を鍛え磨き続けることによって、その結果として洋服を着た姿が格好良く見えて”しまう”
映って”しまう”のが、格好いいよね。ということでした。


かくいう私も、若いころはファッションにどっぷりと浸かっていましたし、格好良くなっちゃう洋服を着ていました。
今もそうじゃないか?と言われればそうなのかもしれませんので、声を大にして言うのは難しいのですが、
承認欲求的なものが年齢を重ねるにつれて、少しずつ薄まってきたのかなとは思うのです。
洋服に対しての考え方や見方、捉え方は随分と変化しましたし、それはこの仕事を辞める日まで変わり続けるはず。
承認欲求は当たり前に存在しますし、それが無くなることはある意味で世の中からいなくなることを意味するので
それ自体を否定はしないのですが、僕は洋服が好きだと自覚しながらも、洋服自体には実はあまり興味が無くて
それ以上に、洋服を着た人(姿)が一番好きなんだと思います。
分かり易い体験談として、お客様に20代で出逢って、最初は背伸びして洋服を購入し、右も左も分からずにただ何となく洋服を
着ていたのが、少しずつ洋服と人との距離感と付き合い方に道筋が立てられるようになってきて、洋服そのものよりも
人の雰囲気とか佇まいや仕草などに目がいってしまう瞬間に出逢えたりすることは最高の喜びですね。
それはきっとお仕事や休日の過ごし方など、内面的に充実していたり、色々な人生経験を積み重ねていったその人の時間が
洋服の着方にも良い影響として現れているのを見ると、(そこに自分達がセレクトした服が混ざっていたりすると、さらに笑)
この仕事をしていて良かったなぁ、面白いなぁって感じることの1つです。
ファッション雑誌などを見ていても、ストリートスナップ特集が昔から好きで、何てことない洋服を格好良く着こなしている
海外の方にいつも憧れを抱いていました。肩の力が抜けていると言いますか、自意識過剰になり過ぎていないところが
格好良いと思ったり、自然体でいられるのが一番素敵なんだと思います。きっと。

そういった本質的な部分を理解出来るのは早くても30代中盤とか40代になった頃。
人生経験が豊富であればもっと早くくるのかもしれませんが、人ぞれそれに時間軸は違うので平均的にならせばそれ位が妥当。
確実に洋服を着ている姿が格好良く見える人は存在するので(僕の中でも何人か思い浮かぶ)そんな風になれる日を夢見ながら
出来る限りこの先も着てみたい洋服に袖を通して、食べたいものを食べて、行ってみたい場所へと足を運んで、人に逢って
様々な刺激を受け続けた先に、色々なものがまわりまわって、巡り巡って、洋服を着ている人が格好良く見えてしまうという現象に
達するのかなと思ったり。という、訳の分からないことをつらつらと殴り書きをしてみた月曜日。
今日も素敵なお客様と、ゆっくり服にまつわる色々なお話が出来て嬉しかったな。おしまい。

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